屋根の先端

屋根の先端

S邸新築工事、設計施工物件。
今回、周囲の瓦屋根の町並みを意識し屋根を綺麗につくることに努めました。増額しがちな屋根素材や葺き方ではなく、先端のディテールのみを工夫しました。
屋根形状は寄棟、素材はガルバリウム鋼板で葺き方は段葺きという、一般的な素材と納まりです。ただひとつ、屋根の先端に力を入れています。まず雨を受ける樋が屋根四周に廻るのを避けるため屋根の途中に設ける内樋の納まりにしています。内樋は室内の天井上部ではなく外部に突き出た庇の中に位置し、万一の雨漏りの場合にも大きな事故にならぬように考慮しています。樋を屋根の先端に設ける必要を無くし、屋根葺が内樋で縁が切れたその先端のみに特殊な曲げ加工を施して、シャープにとがらせるようにしました。雨水を地面に落とす縦樋にはバンドのような金物が取り付き、外壁近くに固定してあります。通常の場合、屋根を見上げると、屋根の先から外壁近くへ樋を近づけるために、横樋からクネクネと曲がっています。今回は、その部分を庇の内部に隠し、軒天から外壁に真っ直ぐ落ちてくるようにしています。それを実現するためには隠蔽するためのスペ-スが必要です。そのために、屋根勾配と内樋を取るための垂木寸法、この二点を考慮して、なおかつ寄棟の屋根勾配が意匠的に自然な寸法になるように実施設計段階で良い塩梅を検討しました。軒天には桧の無垢羽目板、その庇下の外壁には同じ羽目板と左官材の塗り壁を使用し、シャープな印象ですが質感は柔らかくする事で町並みに馴染んでくれることを期待しました。この軒天の桧羽目板は二階の天井にも使用しています。
今回このディテールが成功したことで、現在進行中の別物件でも実現出来た綺麗なディテールがあります。また別の記事で紹介したいと思います。

2015/04/24

S邸新築工事(N-05)
/ <藤匠住宅>設計施工