呼吸

呼吸

K邸新築工事。写真は二階の梁をカケヤ(写真の木のハンマー)で叩いて入れ込んでいるところです。大工さんの恰好良い姿のひとつです。
仕口はきつめに加工していますので、このようにカケヤで叩き込んで入れていきます。棟上げの現場でコーンコーンと木と木がぶつかっている心地よい音が聞こえると思いますが、この作業です。カケヤで狙った位置を叩こうとすると(そんな機会は無いと思いますが)わかるのですが、決まった場所にカケヤを打ち込むには慣れが必要。ましてや足場の良くない梁の上で腰の入ったカケヤを打ち込むのは経験が必要です。さらには経験豊かな大工さんでも、おっとっと、といった感じで打ち損じる事もあると思います。少し当たり所が悪く木材がめり込んでも、時間がたつと元に戻ってくるのが木の面白いところですが、今回は真壁構造(柱梁が化粧で見える木軸構造)。この作業についても今回のような場合は、一筋縄ではいきません。慎重に、そしてしっかりとカケヤを打ち込む必要があります。また梁を入れる際には写真のように二か所をバランス良く打ち込んでいかなければ綺麗に入っていきません。どちらかが強く早く叩いてしまうと、部材が斜めに入っていくため長さや仕口加工形状が合わずに仕口部分が欠損したり、材が入らなくなり梁下から叩いて一度取り出さないといけなくなります。掛け声や動作を見てお互いに同じ力で打ち込んでいかなければ、せっかく綺麗に手刻みで加工した部材たちが台無しになるというわけです。
ひとつひとつ、呼吸を合わせて進める事が、非常に重要になってきます。手刻み、真壁構造、となることで、意識が必要となる場面が通常より格段に増えます。
手で加工することだけが手間が必要というわけではなく、仕事の進め方が全体を通して変わってくるわけです。

2015/03/13

K邸新築<陶山設計工房>
/ 設計+<藤匠住宅>/施工